「いまからはじめる電子工作」:設計製作の要点

■4.3 VU/パワーメータの設計製作(p.169〜)

 ●4.3.1 AGC圧縮方式によるVUメータ(p.169〜)
【2006/6/13掲載】詳細な解説および回路図は本書をご覧下さい。回路図はp.169の図4.15です。
EAGLEによるプリント基板パターンはスクロールして一番下です。

←クリックするとデジカメ動画を再生します。
 オーディオ信号の音量を目で確認するためのVUメータを紹介します。現在では、ほとんどがLEDアレイすなわちディジタル方式で、専用のICが各社から市販されています。対数圧縮やピークホールドなどの機能が備わっているので大変実用的で、再現性良く簡単に 製作できます。
 しかしながら、昔ながらの指示針メータによるアナログ方式も風情があって捨てた物ではありません。基本的に交流の音声信号をダイオードで整流してメータを振らせますが、信号源に影響を与えないためのバッファアンプが必須です。ここでは、単電源オペアンプのLM358Nと接合型FETの2SK30A-GRによる、AGC(Auto Gain Control)アンプで対数圧縮機能を持たせています。
 このような小信号を直線性良く整流するには、ゲルマダイオードが適しているのですが、現在ではディスコン(製造中止)になっていて、店頭在庫しかないようです。ここでは、大阪日本橋のパーツショップで売られている1N60互換の1K261を採用していますが、小信号用ショットキバリアダイオードを試してみるのも良いでしょう。
 おっと、肝心のメータ(電流計)ですが、VU目盛りのものをジャンク屋さんで見かけることがあるのですが、100μA程度の新品の電流計(1,000円程度)を購入して、目盛り板を張り替えても、もちろんよろしいです。

 使用感としては圧縮しているだけあり小音量から反応し、また大音量で飽和しますのでピーク値が確認しやすいです(調整方法については本書参照)。
 ただ、圧縮の効き方が音楽の感じとあっているかどうかは人それぞれですので、コンデンサC3,C4を調整してみてください。
【応用例】
 カマデン社のデジタルオーディオアンプキット(トライパス社TA2020 定価 \4,800(税別))と一緒に、疑似対数圧縮VUメータをシャーシに組み込んだ例です。このディジタルアンプは大変小さな基板とICですが大出力(20W+20W)が出ます。それよりも驚異的なのは電源効率で、006Pの9V乾電池でもガンガン鳴ります。真空管アンプとはまるで違います。将来的(もうすで)に携帯電話やプレーヤなどはディジタルアンプに置き換わっていくでしょう。

 若松通商でも、デジタルステレオアンプキットを取り扱っています。 (←クリックでリンク)ここの「USBオーディオ(PCM2704)キット 49090018 \3,780」も組み込んで、パソコンから高音質再生するというのもお勧めです。
【EAGLEによるプリント基板パターン】
 回路図およびプリント基板パターンCADの「EAGLE」により作成したプリント基板パターンです。
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部品面

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パターン面(裏面):右クリック+保存すると、実寸のPDFファイルがダウンロードできます。

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