RCサーボモータとは、ラジコン用に作られた制御回路を含む モータモジュールである。この制御回路に、制御パルスを送ると、 そのパルス幅に比例した角度にまで回転する。パルスの幅と回転角度 の対応は、各々のサーボモータで、少しづつ違ってくる。
RCサーボモータを制御するには、約16m[sec]周期のパルス で、Hレベルの幅を変えるとよい。Hレベルの幅は、だいたい0.8 〜 2.4m[sec]である。Hレベルの幅の制御は、慎重に行わなければならない。 Hレベルの幅が、小さ過ぎたり、大き過ぎたりすると、モータが、回転限より 向こうに移動しようとするので、サーボのギヤや、制御回路が壊れてしまう 事がある。よって、Hレベルの幅には十分注意する必要がある。
制御パルスのHレベル時間と回転角度の対応は、下のグラフで表される。
このグラフは、ある一つのサーボモータの例であって、全てのサーボ モータが、この特性であるというわけではない。しかし、だいたいのサーボ モータはこれに近い特性を持っている。このグラフから分かる通り、 このサーボモータは、Hレベル時間が、0.8m[sec]の時、-80度の場所まで 移動し、1.5m[sec]の時に、0度の場所まで移動し、2.4m[sec]の時に、 +80度の場所まで移動する事が分かる。
2.1、2.2節で示したパルスは、制御回路に一回送っただけでは、 その位置にまで移動出来ない。制御パルスは、その位置に着くまで、送り 続けなければならない。あるサーボモータで、実験したところ、制御パルスの 送り量は、だいたい50回であった。サーボモータの軸が、指定した位置に たどり着いた後も信号を送り続けると、軸は完全にその角度に固定される。 このときのトルクは、制御パルスの周期に依存する。周期が長すぎると、トルク が落ちる(短すぎてもトルクが落ちる)。
RCサーボモータは現在、ラジコン以外にも、ロボットの関節などに 利用されている。RCサーボモータは、簡単な制御パルスで、軸の位置を正確 に決める事が出来るので、PICマイコンでも容易に制御出来る。また、トルク も非常に大きいので、ある程度の重さの物の角度制御にも利用出来る。 ただし、RCサーボモータは、ラジコン用と言うだけに、負荷がかかり過ぎると すぐに壊れてしまうため、慎重に制御する必要がある。
今回、RCサーボモータを使用するにあたって、いろいろと問題が 起こった。RCサーボモータが、意外に高価であったこと(下は1200 円位から、上は15000円位の物まである)、制御パルスの解説は、あるが、 制御パルスと角度の対応などの解説が無かったこと(トランジスタ技術で、対応 のグラフを見つけるまでは、実験によって調べていた)等である。そのため、 実際に使えるようになるまでに、随分時間がかかった。そこで、S−ken ロボフェス班が調べた資料と、PICによる制御プログラムを作る過程で、 気づいた事を一つのレポートにまとめてみたのである。
1)サーボモータについて、www2.plala.or.jp/k_y_yoshino/6legs/servo.html 2)T.Yamamoto 、自立型4脚ロボットの製作、トランジスタ技術2001年 8月号、p235〜247、CQ出版社