2A3 Loftin White / Cyber WorkShop in Maizuru
●2A3ロフチンホワイト
2A3はRCAのたいへん古い歴史を持つ直熱三極管です。ながらく民生用の
最高峰として愛されてきた球です。特徴は内部抵抗の低さで、実に三極管
らしいなめらかな音色を出すといわれていいます。
ロフチンホワイトとは、前段と出力段を直結にする回路でもっとも
シンプルで高音質ですが、設計が難しいといわれてきました。特にB電圧が
ヒータよりも先に立ちあがると出力管が暴走して真っ赤になったり放電して
真っ青になるので「七面鳥アンプ」としてきらわれたこともあるようです。
本機は遅延リレーでB電圧を徐々に加えてこれを解決しています。
前段は12AX7のパラレルでプレートに約120Vかかっています。したがって、
2A3のカソード電位は120V+45V(2A3のバイアス値)=165Vと大変大きく、
そのためカソード抵抗が3kΩ/20Wと巨大で発熱が大きく、またそのバイパス
コンデンサにも良品が求められます。2A3のプレート電圧は165V+250V=
415Vで、そのため電源はシリコンで整流し効率をかせいでいます。シャーシ
の色は若草色としました。
音質はさすがにすばらしく、出力もいくらでも出る感じがします。
少なくとも、トランジスタの20W位のアンプには負けません。ただ、いわゆる
ダンピングファクタが小さいためいまひとつ低音にしまりがないと感じるか、
よい雰囲気だと思うかそれが問題です。本機はカソードのコンデンサに
ナショナルのオーディオ用の47μF/160WV(1個600円!)をおごったので結構
しまりがあります。
schematic(回路図)
2002年夏休み末の東京出張中に、秋葉原ラジオデパート3Fの「サンエイ電機」
でニッケルプレートの12AX7を1000円/本で買ってきました。
音質はそんなに劇的には変わりませんが、音像がカッチリしました。
このように手軽に真空管が差し替えられるのが真空管アンプの
楽しいところですね。後ろに写っている2A3も「サンエイ電機」で買った球です。
確か2500円/本だったと覚えています。
また、6H6(検波用の双2極メタル管)も200円/本で買いました。
すごく可愛らしい球です。そのうち(いつになるやら?)、
ボリューム・エキスパンダ、スプリング・エコー付の真空管
ギターアンプに使用するつもりです。