今度はICアンプだ(まひつる23原稿) |
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2.C−MOSインバータによるA級増幅
ディジタル論理回路用のC-MOSの基本素子であるインバータは
図2のような内部構造をしている。これは入力がハイ(ロー)
の場合には、上側(下側)のMOS-FETがOFFになるだけなので、大変電流消費が少なく入力
インピーダンスが高いという優れた特徴をもつ。ここで、入力がハイとローの間の電圧
ならば、上下のMOS-FETともON(動作状態)となり、大きな電流が流れる純粋なA級増幅
を行うことになる。この性質をオーディオアンプに利用するわけだが、このままだと
出力電流が多く取れないので、これをたくさんパラレル(並列)に接続して出力を稼ぐ。
本アンプで用いている74HCU04は高速度のバッファなし(バッファ付きは内部
でインバータが奇数個直列接続されている)のC-MOSインバータであり、14ピンのDIP型
(ムカデ型)のICに6個のインバータが内蔵されている。これをおんぶするように6個積み
上げてピンどうしを半田づけし並列接続とする。ただし、A級動作のためすんごく発熱
するので、ICどうしの隙間を少しとり、写真2のシャーシ内部写真に写っているように
電源端子である7ピンと14ピンには放熱板をつける。放熱板は鉄製のL型金具にヤスリ
をかけ予備半田をしてからICのピンに半田づけし、L型金具に放熱器をつけるとよい。
また、本アンプでは電源電圧を放熱との兼ね合いから±3.5Vとした(C-MOSの動作電圧は
3V〜18Vである。)
種類 | 値 | 数 | 単価 |
IC | 74HCU04 | 12 | \30 |
FET | 2SK117 | 2 | \70 |
Tr | 2SB617A | 2 | \300 |
2SD587A | 2 | \300 | |
LED | 緑 | 8 | \20 |
Di | ブリッジ100V1A | 2 | \200 |
トランス | 100V:12V*2 | 1 | \1250 |
R 1/4W | 100 | 4 | \10 |
2k | 4 | \10 | |
100k | 2 | \10 | |
250k | 4 | \10 | |
390k | 2 | \10 | |
C 電解 | 10000μF/16V | 2 | \200 |
1000μF/16V | 4 | \100 | |
10μF/16V | 6 | \50 | |
積層セラミック | 0.1μF/50V | 4 | \30 |
VR | 50kΩ(A) | 2 | \100 |
プリント基板 | DIP-IC用 | 2 | \100 |
汎用 | 1 | \100 | |