「いまからはじめる電子工作」:設計製作の要点
実体配線図や設計図表などを紹介しています。詳細な解説および回路図は本書をご覧下さい。
■3.2 光量可変LEDライトの設計製作(p.122〜)
●3.2 (1)6〜9V乾電池対応白色LEDディマーライト(p.122〜)
【2006/3/20掲載】詳細な解説および回路図は本書をご覧下さい。回路図はp.124の図3.16です。
【2006/5/24】EAGLEによるプリント基板パターンを掲載しました!(スクロールして一番下)
3章の目標は、「電圧可変安定化電源」を設計製作することですが、まず肩慣らしに「光量可変LEDライト」を設計製作します。
それは、左の図のようにLED(ダイオード)が動作(ONして光る)ときは一定のON電圧が保たれる、すなわち定電圧特性を示すことを利用するからです。この基準定電圧と、トランジスタのベース-エミッタ間電圧(これも0.6Vで一定)およびエミッタ-グランド間抵抗両端電圧を「比較」する回路を構成すると、エミッタ抵抗値を可変することにより、コレクタから吸い込む電流を設定でき、これでLEDの光量を可変します。これがいわゆる定電流回路で実に便利で応用の広い回路です。なお、p.126の図3.18の理由からエミッタの可変抵抗をA型とするのがミソです。
この「光量可変LEDライト」では「乾電池で懐中電灯」として使えるように、電池は006P乾電池としました。これは100円均一(ダイソー社)で2個100円で買え、電池スナップ(秋月では1個10円)も安価ですので、下手に単三電池と電池ボックスとするよりも経済的です。また、基準電圧源はON電圧が約1.7Vと低い赤色LEDを用いています。そして、主役の白色LEDは秋月電子通商の25,000mCdというとてつもない超高輝度なものを使いました。この主の白色LEDは、青色LEDに蛍光体を塗って「シンチレーション発光」という発光のさせかたをしています。すごく強烈ですが、少々デリケートではあります。
白色LEDは、やっぱりキレイで、たとえばパソコンの裏の配線を照らして調べるときなどは、豆球の懐中電灯よりもケーブルや端子の色が分かって便利です。また、熱を持たないので安全です。
ケースは100円均一(ダイソー社)のコンパスのケースです。手で持つのにちょうど手頃です。基板、可変抵抗、DCジャックはすべてケース側(フタ側でない方)に固定します。電池は両面テープでとめるのが簡単です。
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【光量大】
フタ側には何も固定されていないので、開閉しやすく、内部状況がよく分かり、赤色LEDがONしている様子が見えます。
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【光量中】
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【光量小】
【内部配線状況】
下の写真に、ケース内の配線状況を示します。なお、ユニバーサル基板の配線状況はそのさらに下に示します。
DCジャックは秋月の標準の2.1mmφパネル取り付け型で、秋月のACアダプタの標準である「センタープラス」で配線しています。ここで、DCジャックとスイッチ間はスズメッキ線(1mmφ)で配線しています。
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【ユニバーサル基板上の部品配置状況】
リード線を引き出すための「端子」は、スズメッキ線(あるいは抵抗のリード線)などで、□型のポストとしています。このほうがメンテナンス(保守・修理)しやすいです。
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【ユニバーサル基板の配線状況】
水色の線が基板裏の配線です。また水色の●が半田付けカ所です。部品のリード線を用いてうまく配線しましょう。
【p.125 表3.2 計算表(Excel)】
下の表を「右クリックして保存」すればExcelファイルをダウンロードできます。水色の「設計値」のパラメータを変更して、いろいろ試してみてください。
【EAGLEによるプリント基板パターン】
回路図およびプリント基板パターンCADの「EAGLE」により作成したプリント基板パターンです。いずれかの機会に、エッティングあるいはプリント基板加工機で製作して「電子工作教室」を開催する予定です。
部品面
LEDはリード線が長くなるように半田付けし、ラジオペンチで左方向に曲げ倒します。
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パターン面
←このパターン図を右クリック+保存すると、実寸のPDFファイルがダウンロードできます。