74HCU04-18para-BTL / Cyber WorkShop in Maizuru
●74HCU04-18パラレル−BTL
舞鶴高専の学芸誌「まひつる23号」に投稿したアンプです。
部品表や回路図も掲載してあります。
最近、トランジスタ技術に、この2SK117による位相反転回路を用いたアンプが
紹介されています。おそらく多くの方が試作されたことと思います。いろいろな
種類のアンプの「音を聴いてみる」のは非常に良いことだと思います。
また、シンプルな回路だけあって、工夫の余地が色々と残っています。
例えば負帰還とか電源などです。実装方法も工夫できますし、ぜひトライ
してみてください。
高速CMOSバッファなしの74HCU04を6段重ねして18パラレル−BTL接続
したちょっと変態なアンプです。パワーはあまりとれませんが、たいへん
キラキラした音質で楽しいアンプです。
●各部波形観測(2004/5/29)
日本橋の「デジット」で買ってきた22Ω10Wのセメント抵抗を3本並列にして
負荷抵抗として、各部の波形を観測してみました。
負荷抵抗の両端をオシロスコープで観測しながら、
入力に1kHzのサイン波を加えてサチルまでレベルを上げていくと、、、
_| ̄|○<ガックリ、典型的な寄生(パラ)発振をしていました。
キラキラした音に感じていたのはこのせいのようです。。。ガックリ
でも、それ以外は大変きれいな波形です。
そこで、位相反転部の2SK117のドレインとソースを見てみると、
設計どおりのバイアスできれいに位相反転した信号が観測できました。
インバータの入力(BTLの上下それぞれ)を観測すると、コンデンサで直流カット
されたきれいな信号が入力されています。
ということは、明らかにC-MOSのパラ発振です。
そこで、スピーカ端子に 1Ωと0.2μFを直列にしたものをいれたところ、
無事にパラ発振は止まりました。
このとき入力振幅は2.28VなのでCDからのライン入力ならギリギリ、
飽和しないようです。
また出力振幅は4.88Vなので、出力はP=V2/R=4.882/8=2.98W
です。効率の良いスピーカなら十分な音量が得られるでしょう。
CDとスピーカをつないで「情熱大陸」を聞いてみたところ、キラキラとした感じは
影を潜め、たいへん素直な音になりました。低音も十分に出ています。
入力電圧をもっと上げていくと、飽和してしまいます。
BBSでの議論のように、C-MOSの入力に-1.4V位のバイアスを与えれば、
もう少し出力の増加が見込めるでしょう。しかしそうなると、C-MOSの
電源電圧を上げたり、前段の電圧増幅回路(どうせなら差動増幅で
位相反転くらいはしたい)、ということになるとチョット大げさに
なっていきそうですね。
ということで、「デジット」で部品を買っておきました。
トランス7.5-0-7.5V/1Aは350円、ミューズ無極性コンデンサ10μF(緑色)は
数十円でした。
仕事が溜まりに溜まっているので、いつ手をつけられるか分かりませんが、
2号機の製作を検討しています。
●各部波形観測(2004/6/5)と今後の予定
ファンクションジェネレータから三角波を入力したときの入出力波形を示します(クリップ直前)。
左の入力波形は縦軸が2倍にしています。つまり右の出力は入力の2倍になっています。
よくみると典型的なスッチング歪が認められますが、素直な特性です。
そのうち、PCのUSB音声入出力装置を入手して、
フリーソフトのWaveSpectraを用いた歪率測定を行うつもりです。
.